熊について(その2)

熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ)
そういえば、中沢新一が、熊は神だったと書いている。ネアンデルタール人が熊の骨を祀っていた(ちょっとあやしい)とか、多くの神話で熊が神として出てくる*1とか、シャーマンは熊の毛皮をかぶったりして熊を模倣する、とかの事例を挙げている。
つまり、かつて狩猟採集をしていた人類が、森で熊と出会うと。で、熊はどことなく親しみがわくような容貌をしていながら、非常に恐ろしい力を持っている。群れで行動せず、孤独を好むという印象をあたえる。こんなところから、熊は神としてイメージされていった、としている。
この、熊=親しさ・恐怖・孤独という線は、そのまま現代の小説に登場する熊のイメージにつながるように見える。
でもなあ、それだと小説家=現代のシャーマンみたいな枠組みになりかねなくて、そういうのは避けたいところなんだが。

*1:この本には取り上げられていなかった(と思う)けど、朝鮮の檀君神話も熊の話ですね