『言語を生みだす本能』

人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス) 言語を生みだす本能(上) (NHKブックス)
ピンカー『人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)』を読んでいる。内容については、とりあえずこの書評参考。で、同じくピンカーの『言語を生みだす本能(上) (NHKブックス)』が途中で積ん読状態になっていたので、こっちを先に読み終える。

『言語を生み出す本能』は、「え、そうだったの?」という話が多くて、もっと早く読んどけばよかったと思うことしきり。とくに、言語決定論は間違いだ、というところ。

イヌイットの言語では雪を表す単語が何百もあるとか、ロシアでは虹は五色だ、とかの話をもとに、言語が世界の見え方を左右する、つまり言語が思考を決定するという論を耳にすることが、これまで結構あった。大学の授業でもやった気がするし、ロシアの虹うんぬんが入試問題になってた大学院を受けたこともある(結局行かなかったけど)。

この本では、そんな言語決定論の間違いをはっきりと指摘している。そもそも資料の信憑性が疑問だし、理論的にも間違いだと。イヌイットの話に至ってはほとんど都市伝説扱い。

というわけで、いろいろと考えさせられる本でした。