シュナの旅

シュナの旅 (アニメージュ文庫)
宮崎駿作品のなかでも好きなもののひとつ。アニメではなくて、絵本です。あとがきによると、チベットの民話をもとにしているとのこと。その民話の内容は、ある国の王子が、大麦の種を手に入れるために苦難の旅をするというものらしい。
この作品には、後の宮崎作品に通じるモチーフが多く登場する。高度科学文明崩壊後という世界設定はナウシカと共通していて、作品としてはナウシカの方が先というか同時期だけど、コミック版ナウシカが完結するのは『シュナの旅』よりずっと後のことで、そのコミック版ナウシカの後半で登場する農夫のヒドラが『シュナ』にはでてくる。『もののけ姫』でアシタカが乗るヤックルとか、シシ神の首を狙う坊主に似たキャラクターとか。(そういえば、アシタカの名前の由来は、ブライアン・オールディスの『地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)』に出てくる生物「アシタカ」だと思っているんだけど、ちがうか)