ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

ティプトリーが『愛はさだめ、さだめは死 (ハヤカワ文庫SF)』だったか『故郷から10000光年 (ハヤカワ文庫SF)』(いま手元になくて確かめられない)の前書き部分で、老人に話しかけてもなかなか返事が返ってこないのは、話しかけられた言葉のひとつひとつが多くの記憶を呼び起こすからで、彼らが時間をかけて返してくる言葉とは、表には現れないかもしれないけれどそうした思い出込みの言葉なんだ、ということを書いていた、と思う。だいぶ前に読んだきりなので、記憶違いというのも大いにありえるが、こういう風なものの見方っていいなと思う。